病院で使われる天秤式秤は分銅のJCSS検定で証明書を取得する

品質管理はISOが提唱する品質管理に移行されました

今年はあの団塊の世代の全員が七十歳以上の高齢者となってしまいました。団塊の世代が現役の時に散々頭を悩まされたのがアメリカからやってきた新しい品質管理手法のTQCです。アメリカで開発されたTQC品質管理の技術はまさに産業革命的な変革をもたらす発明でした。すぐさまアメリカの大企業で導入され、TQC品質管理で大きな成果をあげた大企業はこぞってデミング賞を受賞しました。日本でもその流れを受けて大企業はこぞってTQC品質管理手法を導入しました。書類の整理だけで頭の痛くなるような品質管理手法なので、団塊の世代もこれには散々悩まされたはずです。その後西暦2000年頃から品質管理はISO国際標準化機構が提唱する品質管理に移行されました。その本部はスイスのジュネーブにあります。

計測器がどのくらいの誤差を持っているかを知ること

未曽有の少子高齢化時代を反映して日本では医療と介護のビジネスが急激な右肩上がりです。このような時代を背景として薬剤師や看護師の人気がうなぎ登りです。薬剤師は国家資格を取得した後に調剤薬局や病院で勤務しています。薬剤師がお薬を調剤する時に使用する計測器が天秤式のはかりです。この天秤式のはかりには様々な重さの分銅が付属しています。この計測器は国家の保有する標準軌に対してトレーサブルでなければなりません。然るべき機関でJCSS検定を受けて証明書の発行を受けなければなりません。この検定では国家が保有する標準器との計量誤差が問われます。その際に国家が保有する標準器の様々な重さの分銅が使われるのです。つまり国家が保有する分銅の重さを基準として、現場で使われている計測器がどのくらいの誤差を持っているかを知ることが大切だということです。検査の結果最後に証明書が発行されます。この証明書は絶対に必要な書類ということができます。

品質管理の原点であるトレーサビリティを利用

ISO国際標準化機構が提供する品質管理の原点はトレーサビリティです。あらゆる種類の品質に対して、それを保証するような原点に立ち戻ってチェックするという厳しさです。例えば建設工事などでコンクリートを打設しますが、場所ごとにテストピースを採取してコンクリート強度の管理をします。つまりある場所のコンクリートは、そのテストピースの強度試験で、コンクリート打設の日にさかのぼってその品質が確認されるということになります。JCSS検定でもそれはISO国際標準化機構が提唱する品質管理の原点であるトレーサビリティを利用しているということなのです。平たい言葉で言えばJCSS検定はすなわちISO国際標準化機構の品質管理システムに準拠しているということです。